ギロチンの事

職場で、昨日の小塚原刑場の話を同僚のフランス人にしてみた。

「刑場みたいなものは日本じゃ隅の方に追いやられる。南千住は江戸の端っこだったみたい」

するとフランス人がいう。

「そうなんだ、フランスじゃギロチン広場はめちゃくちゃ街の中心にあるよ!」

なるほど。ヨーロッパはだいたい街の中心に処刑場があるらしい。確かに、ルイ十六世やマリーアントワネットがギロチンにかけられている場面を思い出してみると、だいたい頭に浮かぶのは百科事典とか社会の資料集で見た絵だが、周りに大勢の見物客がいるし、郊外という雰囲気はない。死の忌み事やケガレとしての側面より、それを勝ち取った事のほうが意義があったのか。となると、江戸時代以前の日本は、ギロチンの時代のフランスに近かったんではないかと想像する。単純に、牢屋が街の真ん中にあったから、利便性のために処刑場も近くに作ったんだよ、ともフランス人は言っていた。

彼があまりにあっけらかんと処刑について語るので、昨日すこーし感傷的になってしまった私の気持ちはなんだったんだ、と思った。ただそこに生まれたからという理由で暮らし続けているだけのわりに、すっかり日本人が染み付いていることに驚く。

そんな物騒な話をしながら職場を出て、職場の最寄り駅まで歩いて帰った。そこから25分ほど電車に乗り、マンションまで15分ほど歩く。上京してからこっち、何かと歩いてばかりなので、少し痩せてきたのではなかろうか。

しばらく、通勤には自転車を使わないことにした。